1.クロムハーツを選ぶプレイボーイ(10歳)
近頃の子供というのはませたもので、僕の甥っ子(10歳)もついに初めての恋人ができた。
先日、久々に弟の家に遊びに行ったときのこと、甥っ子は僕のたいそうなお気に入りで、甥っ子もよくなついてくれていたものだから、その日も久し振りに遊んでやるか、とちょっぴりわくわくして訪ねた。
夕方、少し早く着いてしまったら、甥っ子はいない。まだ学校だという。そういうものか、と義妹とぎこちない話題で持たせながら、甥っ子のことを待っていた。
そして、帰ってきた!と思ったら、カバンを置いてすぐ家を出ようとするのだ。僕は慌てて引き留めた。甥っ子は、こともなく「あ、おじさん来てたの?またあとでね」と言い残し、風のように去って行った。
聞くと、甥っ子には最近クラスのみおちゃんという子に告白されて、付き合うことになったらしいのだ。付き合うって?え?10歳だよね?と疑うのだが、いつの間にかぼくはシーラカンスになっていたようだった。
帰ったあと、お父さん(つまり僕の弟)に取ってきてもらったというクロムハーツとかいうアクセサリーのメーカーのサンプル集を見せてもらった。こういうのが欲しいの、と笑うその顔はやっぱりまだ10歳だった。
もうちょっと安いのでいいんじゃない?と言ってみるが、クロムハーツじゃなきゃだめなの!という。なんだかこだわりがあるらしい。
それは、つい2,3年前、おもちゃのゲーム機の微妙なカラーの違いにこだわっていた幼き表情と、なにも違わない。ただ僕だけが年老いてしまったのかもしれない。
正直、来年は遊びに行くのが怖いなあ。